【他者を愛することができる体力を】

「わたし」の自己愛を無制限に肯定するような集団はカルトである。自己愛が極限まで肥大化したカルトは必ず崩壊する。 自己愛への制限や限定があるからこそ「わたし」は「わたし」という「かたち」を保つことがでるが、 自己愛を無制限に肯定すれば「わたし」は「わたし」というかたちを保てなくなって自己崩壊する。カルトが周囲を巻き込んで崩壊する過程はこれに尽きる。
 だから「日本ファースト」と称する「わたしたち」の自己愛を無制限に肯定するような集団は早晩その「かたち」が崩壊し、その「わたしたち」そのものが崩壊する。 「日本ファースト」はこの社会そのものの「かたち」を破壊する。だから思想信条右左上下なんであれ、自己愛を無制限に肯定するような政党だけは避けなければならない。 それは政党ではなくカルトである。
 自己愛に限らず「わたし」のかたちやタガを外していいのは表現や宗教的営為という「あのよ」の中だけである。 それを「このよ」の社会でやればその社会は必ず崩壊する。
 ただ、「このよ」に居場所が無い人や、「このよ」で上手くいかない人、「このよ」を生きることに惨めな思いをしている人が「あのよ」に居場所を求めるその気持ちはわかる。 痛いほどわかる。だけどその劣情や憎しみや痛みを受け止めるだけの体力がこの社会には、無い。 愛が無いんじゃなくて体力が無い。経済的な効率だけを追求してきたこの社会には、劣情や憎しみや痛みを受け止める体力が無くなった。 そして、これを書いているおれ自身にもその体力はない。この体力ってやつは直ぐにつくものではない。 だけど今から数十年かけてこつこつ体力を身につけるしかない。自己愛、ではなく、他者を愛することができる体力を。

  

20250718記す

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